中つ国のドラゴン — グラウルング、アンカラゴン、スマウグ、スカサを解説
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クイックアンサー: トールキンの竜は、第一紀にモルゴスが生み出した存在です。竜の父 グラウルング は翼のない火竜で、トゥーリンに討たれました。黒竜アンカラゴン は最大の有翼竜で、怒りの戦いでエアレンディルに倒されました。スマウグ は第三紀にエレボールを奪い、湖の町の上空でバルドに射落とされました。スカサ は灰色山脈の冷血竜です。火竜は炎を吐き、冷血竜は吐きません。シンダール語で竜は lhûg です。
竜はトールキンの世界で最も古く、最も個人的な敵です。オークは軍勢でやってきて、バルログは世界より古い霊ですが、竜はひとつの心とひとつの財宝を持つ存在であり、自分から盗んだ者を一人残らず覚えています。トールキンは中つ国の最初期の物語から竜を登場させ、『指輪物語』の最後の追補編まで手放しませんでした。
このガイドでは、名前のあるすべての竜、トールキンが区別した二種類の竜、有翼の竜の由来、原作『ホビット』とピーター・ジャクソンの映画におけるスマウグの違い、そしてこれらの生き物を表す実際に確認されているエルフ語の単語を紹介します。中つ国の種族の完全ガイドの一部です。
竜はどこから来たのか
トールキンは竜の誕生場面をひとつに定めて描いてはいません。『シルマリルの物語』が伝えるのは、第一紀にモルゴスが遥か北方の要塞 アングバンド で竜を造った、あるいは育てたということです。モルゴスは無から命を創ることはできず、彼の被造物はすべて、より古い何かを歪めたものです。オークは(『シルマリルの物語』に収められた版では)捕らえたエルフから歪められ、トロルはエントをあざけるために造られ、竜はその種の業の中で最大のものでした。ただし、何をもとにしたのかは本文に書かれていません。
トールキンの晩年のメモは、バルログがモルゴスに従ったマイアールであったように、大きな竜には邪悪な霊が宿っていたのではないかという可能性を検討しています。彼の物語の竜が獣のように振る舞わず、語り、考え、嘘をつき、眼差しで魔法をかけるのはそのためでもあります。ただし、すべての竜にそうした霊が宿っていたかは決着しておらず、決まったことのように扱うべきではありません。
決まっているのは物語の中での性質です。竜は狡猾で傲慢、黄金に貪欲で、腹の弱点を除けばほとんど殺せません。トールキン作品の竜退治は、すべてこの弱点にかかっています。
モルゴスのほかの被造物と比べたい方は、中つ国のオークとゴブリン、トロル、バルログのガイドもどうぞ。
火竜と冷血竜
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無料で試す →トールキンは竜を二つの特徴で分けていました。火を吐くかどうか、そして飛ぶかどうかです。
| 種類 | 火を吐く | 翼 | 名のある例 |
|---|---|---|---|
| 火竜(Urulóki) | 吐く | 当初はなし | グラウルング |
| 有翼の火竜 | 吐く | あり | アンカラゴン、スマウグ |
| 冷血竜 | 吐かない | 通常なし | スカサ、ダイン一世を殺した竜 |
火竜 は、ほとんどの読者が思い浮かべる竜です。『シルマリルの物語』は彼らを Urulóki(ウルローキ) と呼び、グラウルングをその最初の一頭としています。その炎は石も黄金も等しく溶かし、『指輪物語』ではガンダルフがエルロンドの会議で、かつて竜の炎は力の指輪を溶かせると言い伝えられていたと語ります。さらに、一つの指輪を破壊できるほど熱い炎を持つ竜はもう世界に残っていないと付け加えます。だからこそ指輪は滅びの山へ運ばれねばならないのです。
冷血竜 には炎がありません。それでも巨大で、鎧のような体を持ち、凶暴で、ほかの竜と同じく財宝をため込みます。第三紀には闇の森の北にある 灰色山脈(Ered Mithrin)に棲み、ドゥリンの一族のドワーフが最終的にその地を捨てたのは彼らのせいでした。
有翼の竜 が現れたのは遅く、『シルマリルの物語』ではモルゴスが第一紀の最後の最後まで隠しており、怒りの戦いで初めて姿を見せます。以後、翼は大竜の一部となり、第三紀のスマウグは空を飛びます。
エルフ語について一言。『シルマリルの物語』の Urulóki は「火竜」を意味するクウェンヤ語の複数形ですが、私たちの確認済み語彙リストには独立した項目がないため、『シルマリルの物語』が用いる名称としてのみ使います。クウェンヤ語の lócë と混同しないでください。これは「入り江」や「巻き毛」を意味し、竜とは関係ありません。本当のエルフ語の竜の言葉は下で紹介します。
竜の父グラウルング
グラウルングはトールキンが書いた最も重要な竜です。『シルマリルの物語』、『終わらざりし物語』、そしてトゥーリン・トゥランバールの物語全体を描いた『フーリンの子どもたち』に詳しく登場します。
最初の出現
グラウルングが初めてアングバンドから出てきたとき、彼はまだ若く、半ばしか成長していませんでした。『シルマリルの物語』によれば、彼はアルド=ガレンの平原に現れ、フィンゴン と騎馬弓兵たちに追い返されました。モルゴスは、彼が力を蓄えきる前に姿を見せたことに怒りました。
俄かに燃え上がる炎の合戦
グラウルングが戻ってきたとき、彼は成長しきっていました。俄かに燃え上がる炎の合戦、ダゴール・ブラゴルラハ で、彼は火の川とともにモルゴスの軍勢を北から率い、ノルドールが何世紀もアングバンドの周りで保っていた包囲は崩れました。
ニルナエス・アルノエディアド
涙尽きせぬ合戦で、グラウルングとその子らは再び現れました。ベレグオストのドワーフが彼に立ち向かい、彼らの仮面が竜の炎から身を守りました。その王 アザガール は下からグラウルングを刺し、戦場から追い払いましたが、自らは押しつぶされて命を落としました。ドワーフたちは王の遺体を運び去り、グラウルングの子らは父とともに逃げました。トールキン作品で竜が直接の力で撃退される数少ない場面で、それを成し遂げたのはドワーフでした。ベレグオストの民については中つ国のドワーフのガイドに詳しく書いています。
ナルゴスロンドとトゥーリン
グラウルング最大の所業は、フィンロドの隠れたエルフの都 ナルゴスロンド の略奪でした。トゥーリンが民を説いて公然と戦わせたため、都は無防備になっていました。グラウルングは押し入り、財宝を寝床とし、橋の上でトゥーリンと対峙しました。眼差しでトゥーリンを縛り、家族について嘘をついて彼を去らせ、その間にトゥーリンを愛した女性フィンドゥイラスは捕虜として連れ去られました。
のちにトゥーリンの妹 ニエノール が兄を探しに来たとき、グラウルングの眼は彼女の記憶を奪いました。彼女はさまよい、兄と知らずにトゥーリンと出会い、彼と結婚します。グラウルングの魔法こそが、この悲劇全体を動かす原動力です。
その死
トゥーリンは、のちに カベド=エン=アラス と呼ばれる峡谷でグラウルングを討ちました。竜はブレシルへ向かうため峡谷を渡っていました。トゥーリンはその下の崖をよじ登り、黒い剣グアサングを竜の柔らかな腹に突き立てました。死に際にグラウルングはもう一度語り、ニエノールに夫の正体を明かします。彼女は川に身を投げ、トゥーリンものちに自らの剣に身を投げました。トールキン作品では、竜の死が後腐れなく終わることはまれです。
エルフ語のグラウルング
グラウルングという名前はシンダール語の形をしています。最初の要素は glaur に似ており、私たちの辞書データでは「黄金[光または色]」を意味します。読者はしばしばこの名前を黄金色と結びつけますが、慎重であるべきです。名前全体についてのトールキンの正確な語源は私たちの資料では確定していないため、「黄金の」は定義ではなく、ありそうな関連として受け取ってください。
黒竜アンカラゴン
第一紀の終わり、ヴァラールの軍勢が 怒りの戦い のために西方から来て、モルゴスの軍は滅ぼされました。最後の守りとして、彼はそれまで誰も見たことのない有翼の竜を放ちました。『シルマリルの物語』によれば、その襲撃はあまりに恐ろしく、ヴァラールの軍勢が押し返されたほどでした。
その中で最強だったのが 黒竜アンカラゴン です。彼に立ち向かったのは、空飛ぶ船ヴィンギロトに乗った航海者 エアレンディル と、鷲の王 ソロンドール、そして空の大いなる鳥たちすべてでした。彼らは一晩じゅう戦いました。日の出の前にエアレンディルがアンカラゴンを討ち、竜はアングバンドの上にそびえる三つの峰 サンゴロドリム の上に落ち、それを砕きました。
トールキンはアンカラゴンの大きさを数字で示していません。何キロもの長さがあったという有名な説は、本文ではなくファンアートやネット上の議論から生まれたものです。本が伝えることだけで十分です。彼はすべての竜の中で最も大きく、エアレンディルと鷲たちの力を合わせてようやく倒せたのです。ソロンドールとその一族については中つ国の大鷲のガイドをご覧ください。
研究者はアンカラゴンという名を「顎」と「突進」を意味するクウェンヤ語風の語根で説明することが多いのですが、その分析は私たちの確認済み語彙リストにないため、事実としては紹介しません。
黄金のスマウグ
スマウグは『ホビット』の悪役なので、ほとんどの人が知っている唯一の竜です。第三紀の有翼の火竜であり、そもそもホビットが忍びの者として雇われた理由そのものです。
スマウグの荒らし場
ドゥリンの血筋のドワーフたちは はなれ山、エレボールの下に王国を再建し、莫大な富を築いていました。その黄金がスマウグを北から呼び寄せました。彼は山に襲いかかり、ドワーフを殺すか追い払い、下の谷にある町 デイル を破壊し、二百年近く財宝の上に横たわりました。山の周りの荒れ果てた土地は、スマウグの荒らし場と呼ばれるようになりました。
山の下の最後の王の孫、トーリン・オーケンシールドは決して忘れませんでした。『ホビット』は、十二人の仲間、ガンダルフ、ビルボ・バギンズとともに彼が帰還する物語です。
ビルボと竜
第12章のビルボとスマウグの対話は、トールキンが書いた最高の場面のひとつです。指輪の力で姿を消したビルボは、名を名乗る代わりに自分についての謎めいた肩書きで竜をおだてます。竜には決して自分の名を告げてはならないからです。うぬぼれが強く賢いスマウグは、ドワーフの誠実さに対するいくつかの巧みな疑いで、ビルボを彼らから引き離しかけます。自分の鎧は貫けないと自慢しながら、竜は宝石をちりばめた腹を見せようと寝返りを打ち、ビルボは左胸に鱗のない箇所を見つけます。
この章の謎かけはゴクリとのなぞなぞ遊びを思わせますが、偶然ではありません。トールキン作品では、正しい言葉は剣と同じくらい強力な武器なのです。
スマウグの死
激怒したスマウグは、住民が泥棒を助けたと考えて 湖の町(エスガロス)を滅ぼしに飛び立ちます。町は燃えますが、ひとりの男が射続けます。デイルの領主の末裔、弓の名手バルド です。ビルボの話を聞いていた年老いたツグミが、鱗のない箇所のことをバルドに伝えます。バルドは最後の矢、父祖から受け継いだ黒い矢を放ち、スマウグは湖に墜ち、死にながら町を壊しました。
スマウグが見かけ以上に重要だった理由
『終わらざりし物語』(「エレボールの探索」)でガンダルフは、戦略上の理由でトーリンの企てを後押ししたと説明しています。サウロンが再び力を取り戻しつつあり、ガンダルフは彼が北方との戦いにスマウグを利用することを恐れていました。竜が死に、エレボールとデイルが再興されたことで、北方は指輪戦争の間サウロンの軍勢に持ちこたえました。小さな冒険は、大きな戦争の一部だったのです。ガンダルフのエルフ語名ミスランディアの記事では魔法使いの長い計画を詳しく扱い、中つ国の魔法使いのガイドではイスタリの中での彼の位置づけを解説しています。
スマウグという名前
トールキンは手紙の中でこの名を「低俗な文献学的冗談」と表現しました。穴をすり抜けるという意味のゲルマン語の動詞に由来するのです。エルフ語ではまったくなく、彼が作ったどの言語の単語でもありません。この竜は、ほとんど北方の装いで書かれた物語の中で、ただ北方風の名前を持っているだけなのです。
長虫スカサと北方の冷血竜
『指輪物語』の追補編は、第三紀の竜の歴史をもう少し伝えています。
長虫スカサ は灰色山脈の大きな冷血竜でした。追補編Aによれば、アンドゥインの谷間の北に住んでいたロヒアリムの祖先エオセオドの領主、フルムガールの息子フラム が彼を討ちました。その後ドワーフたちは、自分たちから盗まれたものだとしてスカサの財宝を要求しました。フラムは竜の歯で作った首飾りを送りつけて彼らをあざけり、この争いは彼の死で終わったと言われます。
その財宝の一部は残りました。『王の帰還』で、エオウィンはスカサの宝から出た小さな銀の角笛をメリーに贈ります。メリーはのちにそれを吹き鳴らし、サルマンのならず者たちに対してホビット庄を立ち上がらせます。冷血竜の財宝が最後にはホビット庄のホビットたちを目覚めさせるという、すてきな細部です。騎馬の民の祖先については中つ国の人間のガイドを、その言葉についてはローハンの言語ロヒアリム語の記事をご覧ください。
冷血竜は、ドゥリンの一族が放浪した理由も説明します。追補編Aは、ダイン一世 とその息子フロールが、灰色山脈の館の戸口で大きな冷血竜に殺されたと記しています。その後ドワーフの多くは去り、ある者は鉄の丘陵へ、ある者はスロールとともにエレボールへ向かいました。この移住によってドワーフとその黄金ははなれ山の下に集まり、のちにスマウグがそこを見つけたのです。一頭の竜が、もう一頭の竜の舞台を整えたわけです。
そのほかの竜と竜の伝承
知っておきたい竜の伝承をいくつか挙げます。
- グラウルングの子ら。 『シルマリルの物語』は、グラウルングに涙尽きせぬ合戦で戦った子らがいたと述べています。名前のある者はいません。
- ドル=ローミンの竜の兜。 竜の頭を飾りにした兜で、ドワーフが作り、ハドルの家に伝えられました。トゥーリンがこれをかぶり、その姿は敵を怯えさせたと言われます。竜の主たちに向けられた竜の像です。
- 竜の病。 『ホビット』では、竜の財宝が触れた者の欲を呼び起こします。アーケン石へのトーリンの執着と黄金を分けることへの拒否は、五軍の合戦の前にエルフ、人間、ドワーフの間で戦争を引き起こしかけます。原作は財宝の魔力がトーリンをとらえたことを語り、「竜の病」という言葉は、町の再建のために送られた黄金を持ち逃げした湖の町の統領に使っています。映画はこれをトーリンの目に見える病として描きます。
- 枯れ野。 第三紀に竜が繁殖した北の荒れ地で、『ホビット』のスロールの地図に記されています。
- 小さな竜は生き残っている。 『指輪物語』のどこにも、竜がスマウグとともに絶えたとは書かれていません。竜の炎についてのガンダルフの言葉は、昔の竜より弱いだけで、いくらかは残っていたことを示しています。
原作と映画のスマウグ
ピーター・ジャクソンの『ホビット』三部作、とくに『竜に奪われた王国』(2013年)と『決戦のゆくえ』(2014年)は、竜について多くを変えました。この節で映画のみと記したものは、トールキンではなく映画の創作です。
| 項目 | 『ホビット』(原作) | 映画 |
|---|---|---|
| 体 | トールキン自身の絵では四本の脚と翼 | 翼が前脚を兼ねる(ワイバーン型)- 映画のみ |
| 声 | 語る竜、残酷でうぬぼれが強い | ベネディクト・カンバーバッチ、声とモーションキャプチャー |
| ビルボの発見 | ビルボが見た左胸の鱗のない箇所 | デイル陥落時のギリオンの矢で失われた鱗 - 映画のみ |
| エレボールのドワーフ | スマウグが出ていく間は隠れている | 溶鉱炉での長い追跡と溶けた黄金の罠 - 映画のみ |
| バルドの武器 | 家に伝わる普通の黒い矢 | 息子の肩に据えた折れた弓から放つ最後の黒い矢 - 映画のみ |
| 風槍 | 原作にはない | デイルの巨大な弩 - 映画のみ |
| ツグミの役割 | ツグミがバルドに弱点を伝える | ほぼ削除 |
| スマウグを倒す者 | バルド | バルド |
変更にはそれなりの理由があります。三部作の構成には山の中での大きな見せ場が必要で、ワイバーン型の翼は飛行のアニメーションがしやすいのです。しかし、意味も変わってしまいます。原作で決め手となる武器は、ホビットの観察と、鳥が人間に伝えた知らせです。小さく見過ごされる者が世界を変える、それこそがトールキンらしさです。映画はそれを巨大な弩と救われた一本の矢の物語に変えました。
映画は原作にいないエルフの登場人物、特にタウリエルも加えています。これらの映画にどれほどエルフ語のせりふがあるか気になる方は、映画『ホビット』のエルフ語:スランドゥイルとタウリエルをお読みください。
エルフ語の竜
エルフは何千年も竜と戦ってきたので、竜を表す言葉を持っていました。確認されている語を、私たちの語彙データの意味とともに紹介します。
| 単語 | 言語 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| lhûg | シンダール語 | 蛇、竜 | lh は息を伴う L、長い u で「フーグ」 |
| hlócë | クウェンヤ語 | 爬虫類、蛇 | 「フローケ」(h は軽く息を出す) |
| föalócë | クウェンヤ語 | 息の竜(意味は推定、下記参照) | 「フォアローケ」 |
| naur | シンダール語 | 火 | 「ナウル」 |
| ruin | シンダール語 | 赤い炎、燃えるような赤 | 「ルイン」 |
| glaur | シンダール語 | 黄金(光または色) | 「グラウル」 |
| ang | シンダール語 | 鉄 | 「アング」。Angband は「鉄の牢獄」 |
いくつか補足します。
- Lhûg は本物のシンダール語の単語です。トールキンは The Etymologies で LOK という語根のもとにこれを書いており、蛇と竜の両方を指します。第一紀の翼のない這う竜によく合っています。
- Hlócë はクウェンヤ語の同族語で、爬虫類や蛇を指します。竜のような獣を表すクウェンヤ語として最も安全な語です。
- Föalócë はトールキン晩年の言語メモに現れます。「息の竜」という意味は、トールキンが書いた定義ではなく Eldamo 辞典による読みなので、その留保つきで使ってください。
- Naur は、『指輪物語』でガンダルフが呪文に使う火の言葉です。「赤い炎」を意味する ruin と合わせれば、伝説の中のあらゆる竜の襲撃を語る語彙がそろいます。
以前の記事狼と竜を表すエルフ語では関連する動物の語彙を扱っています。タトゥーや物語に使う前に単語を確かめたいなら、よく使うエルフ語辞典が良い出発点です。短いフレーズはエルフ語翻訳ツールで試せます。
トールキンはスマウグにもスカサにもエルフ語の名を与えていません。どちらの名前も、人間とドワーフの北方の世界に属しています。
トールキンが竜をこう描いた理由
トールキンは子どもの頃から竜が好きでした。古英語の学者として長年『ベーオウルフ』に取り組みましたが、その最後の敵は、財宝から杯を盗まれて目覚める竜です。スマウグの物語はまさにこのモチーフを借りています。ビルボが杯を盗み、竜が目覚めて土地を焼くのです。『ベーオウルフ』についてのトールキンの有名な講演は、竜は安っぽいおとぎ話の怪物ではなく、悪意と貪欲の真剣な象徴だと論じました。彼自身の竜もその重みを背負っています。
北欧神話からは、シグルズに下から刺され、死に際に殺し手に語りかける竜ファーヴニルを取り入れました。カベド=エン=アラスでのグラウルングの死も同じ形をとります。下から腹を突かれ、死にゆく竜は自分を倒した者を破滅させる言葉を口にするのです。
ですから、トールキンの竜は決してただの獣ではありません。語り、欺き、周りの者の欲を呼び覚まします。竜の恐ろしさは、町に与える被害と同じくらい、人の心に与える影響にあるのです。
これらの物語の背後にある言語と民について広く知りたい方は、トールキンのエルフ語完全ガイドと『指輪物語』のエルフは何語を話すのかをお読みください。
竜の名をテングワールで書こう
竜の名前は印象的なテングワールの銘文になります。Glaurung、Ancalagon、あるいは lhûg という単語そのもの。テングワールはエルフの文字で、テングワール文字ガイドでその仕組みを解説しています。自分の名前をエルフ文字で見たいならテングワール名前ジェネレーターを、手で文字を書く練習をしたいならTengwar Scribeをお試しください。
よくある質問
トールキンの世界で最も強大な竜は? 有翼の竜の中で最大の黒竜アンカラゴンです。エアレンディルが怒りの戦いで彼を討ち、その墜落がサンゴロドリムを砕きました。
バルドはどうやってスマウグを倒したのですか? 原作では、ビルボが見たスマウグの左胸の鱗のない箇所をツグミがバルドに伝えました。バルドがそこへ黒い矢を射込み、スマウグは湖の町の上の湖へ墜ちました。
トールキンの竜には翼がありましたか? 最初はありませんでした。グラウルングや初期の火竜は地を這いました。有翼の竜は第一紀の終わりの怒りの戦いで初めて現れ、第三紀のスマウグは空を飛びます。
『指輪物語』に竜は出てきますか? 物語の場面には登場しません。エルロンドの会議でのガンダルフの話、追補編(スカサとダイン一世を殺した竜)、そしてスカサの宝から出たメリーの角笛の中で言及されます。
エルフが竜に立ち向かった言葉を学ぼう
この記事に出てくる名前は、アングバンドからグラウルングまで、すべてトールキンのエルフ語から来ています。きちんと学ぶこともできます。Tengwar で無料でエルフ語を学ぶ — 発音、あいさつ、トールキン自身の著作から取った本物のクウェンヤ語とシンダール語の語彙を学べる10の無料レッスンがあります。手早く始めたい方は、『指輪物語』のエルフ語フレーズとクウェンヤ語とシンダール語の比較で、各場面でどちらの言語が聞こえているかがわかります。
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よくある質問
中つ国で最初のドラゴンは誰ですか?
グラウルングです。『シルマリルの物語』は彼を竜の父、北方の火竜ウルローキ(Urulóki)の最初の一頭と呼んでいます。モルゴスが第一紀にアングバンドで生み出しました。翼はなく、地を這い、炎で焼き、目を合わせた者の意志を縛る声と眼差しで語りかけました。
冷血竜と火竜の違いは何ですか?
グラウルングやスマウグのような火竜は炎を吐きます。冷血竜は炎を吐けず、牙と爪と巨体で戦います。どちらもトールキンの言う竜であり、どちらも黄金に執着します。最も有名な冷血竜は灰色山脈の長虫スカサで、『指輪物語』の追補編によれば、大きな冷血竜がドワーフの王ダイン一世を自らの館の戸口で殺しました。
トールキン作品で最も強大なドラゴンは?
黒竜アンカラゴンです。第一紀の終わりにモルゴスが放った有翼の竜のうち最強の存在でした。『シルマリルの物語』では、怒りの戦いでエアレンディルが空中で彼を討ち、その墜落がサンゴロドリムの塔を砕きました。スマウグの方がはるかに有名ですが、アンカラゴンははるかに強大でした。
スマウグは中つ国最後のドラゴンですか?
いいえ。多くの再話ではスマウグをその時代最後の大竜と呼びますが、トールキンは竜がすべて滅んだとは書いていません。『指輪物語』でガンダルフは、一つの指輪を破壊できるほど熱い炎を持つ竜はもう生きていないと言うだけで、第三紀にも小さな竜が残っていたことを示唆しています。
エルフ語でドラゴンは何と言いますか?
シンダール語では lhûg(「蛇、竜」)で、トールキンが The Etymologies で LOK と記した語根に由来します。クウェンヤ語には hlócë(「爬虫類、蛇」)があります。クウェンヤ語の複合語 föalócë はトールキン晩年のメモに現れ、研究者は「息の竜」と読みますが、トールキン自身は意味を書いていません。
映画『ホビット』のスマウグは原作と違いますか?
はい、いくつかの点で違います。映画のスマウグは四本の脚と翼ではなく、翼が前脚を兼ねる姿で、デイルの風槍、エレボールの黄金の溶鉱炉の罠、バルドに残された最後の黒い矢が加えられています。原作では、ツグミが左胸の鱗のない箇所を知らせた後、スマウグは普通の黒い矢で倒されます。